これは、「耐えることが浄化になる」という瞑想です。
ゆっくり腹式呼吸します。
身体(特に肩)の力を抜いて全身をリラックスさせます。
呼吸を意識しながら気持ちを落ち着け、静かに穏やかになるよう心がけます。
意識を胸の中心(心臓あたり)に集中させます。
これから未来において自分が経験することになる「辛さ」や「楽しさ」などの気持ちは、全部をあらかじめ自分の内側に持っている、とイメージしてみます。
未来に経験することになる様々な気持ちは、それを感じることになる出来事別に、それぞれの袋に小分けされています。
袋の形や大きさは、どんな風でも構いません。
具体的でなくても「大体そんな感じ」で結構です。
袋の口はぎゅっと閉じられているので、今は袋の中身(その気持ち)を感じることはできません。
いろいろな気持ちの入った袋の中で、「辛さ」の入った袋を集めてみましょう。
それぞれの袋の大きさはどれくらいでしょうか。
重さはどうでしょう?
「辛さが入っている袋」を自分の内に持っているのはどんな感じがしますか?
「辛さの袋」一つひとつには名札が付いています。
名札には、「どんな場面でその辛さ(袋の中身)を感じることになるのか」が書いてあります。
名札を読んでみて、耐えられるくらいの比較的軽い出来事の袋をひとつ選びます。
ひとつ選んだら、その名札に書かれている場面をイメージしましょう。
その出来事が実際に起こって、自分の内にある「辛さの袋」の口が開きます。
口が開いて袋の中身が溢れ出てきて、自分がまさにその「辛さ」を感じています。
袋の中身が溢れ出ていることで辛い気持ちを感じていますが、逆に袋の中身はどんどん減っていっています。
袋の中身が減っていくと同時に、どんどん軽くなっているのを感じましょう。
袋の中身がそのうち無くなってしまえば、「辛い」気持ちはそれで終わりです。
袋が空になると袋自体も消えてしまいます。
少し未来に飛んで、あるいは時間を早回しして、袋が空になった後に進みましょう。
全て終わって、袋も中身も無くなった後はどんな気持ちでしょうか?
もうその袋を持たなくて良いのはどんな気分ですか?
しばらく、その軽く心地よい感覚に浸ります。
軽やかな心地よさを十分に感じたら、意識をこの部屋に、ゆっくりと静かに戻します。
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※この瞑想でイメージする「袋」は、(今ではあまり使われなくなりましたが)「堪忍袋(*1)」と呼ばれている袋と同じようなもの、と捉えても構いません。
※何度も繰り返して瞑想すれば、実際の生活の中で辛い気持ちになった時に、自然とこの感覚が出てくるようになります。
*1)『堪忍袋(かんにんぶくろ)』我慢のできる量を袋にたとえていう語。
『堪忍袋の緒(お)が切れる』:もうこれ以上我慢できなくて怒りが爆発する。「緒」は紐のこと。
*解説『「耐えてみる」ことは人生を豊かにする』はこちらです ▷
*瞑想の方法(空音オリジナル瞑想の場合)はこちらをご覧ください ▷