「許そう」の瞑想

ゆっくり腹式呼吸します。
身体(特に肩)の力を抜いてリラックスさせます。
呼吸を意識しながら気持ちを落ち着け、静かに穏やかになるよう心がけます。
意識を胸の中心(心臓あたり)に集中させましょう。

心に「許せない」事柄を思い浮かべます。
あまり根深くなく大きくなく、できれば些細な、過去に起こったことのある「許せなかった」出来事を思い浮かべます。
もしもそういった出来事を思い出せない場合は、いま心に思い浮かんでいる事柄で構いません。

その出来事が起こった時の、自分の気持ちや感情、身体感覚を観察します。
身体の緊張や心にある不快な感覚をじっくりと味わいます。

不快感がピークに達する前に、大きく息を吸って、吐く息と一緒に身体の力を抜きます。
このとき、自分の中の黒い塊が息と一緒に出ていくのを感じながら、「ま、いいか」と言葉にします。
実際に声に出しても良いですし、心の中でつぶやいても構いません。

「ま、いいか」と言って力を抜いた後の、気持ちや感情、身体感覚を味わいます。

気持ちや身体に固さが残っていたら、もう一度最初から繰り返します。
頭で色々考えていることに気づいたら、胸の中心に意識を向け直します。
心と身体が、今まさに感じていることに意識を集中させましょう。

何度も繰り返している中で、「ま、いいか」の理由が出てくるかもしれません。
また、理由などなくただ単に「ま、いいか」と納得できる場合もあります。

「もういいかな」と思えたところで、繰り返すのを終えます。
あるいは、集中が続かなくなった時点で止めても構いません。

繰り返すうちに心から「ま、いいか」と思えるようになることがあります。
そうなれば同じ出来事に出会っても、もう不快や緊張を感じることはありません。

どちらにせよ、その出来事を少しでも「許せた」後の感覚や心の状態、身体感覚を味わいます。
その心地よさに、しばらく浸りましょう。

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*この瞑想は、実際に経験したことのある小さな出来事から始めて、徐々に大きく許しがたい事柄へと進めていくと効果的です。

*「許せない」時の不快さと、実際に「許した」後の心地よさを何度も経験し確かめながら、「許す」という行為の「恩恵」を体感していくことで、許すことが容易になっていきます。

*瞑想だけに終わらせず、実際の生活の中でも人に対して許す事ができると、その相手からのフィードバックも含めてその「恩恵」の大きさをもっと実感できるはずです。

*この瞑想によって、一度「許せた」事柄でも、また元のように許せなくなることがありますが、それは以前の思考パターンが癖として蘇っているだけです。その場合はまた同じように瞑想しましょう。以前より簡単に許せるようになっているはずです。そういったことを繰り返しているうちに、全く気にならなくなります。

*この瞑想方法は、気持ちを楽にするための【「ま、いいか」の瞑想】としてさまざまに応用できます。いろいろ試してみていただければ幸いです。

 

*解説『「心から許す」経験をしてみましょう』はこちらです
*瞑想の方法(空音オリジナル瞑想の場合)はこちらをご覧ください